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2.金沢大学ゆかりの著名人(3)科学者、実業家、建築家…四高出身の著名人

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金沢大学とその前身校は、各方面で活躍をする多彩な人材を輩出してきた。その中から四高出身の著名人を紹介する。

木村榮と中谷宇吉郎

自然科学系の研究者の中で特に有名なのが木村榮(きむらひさし)と中谷宇吉郎(なかやうきちろう)である。木村榮(1870-1943)は、若くして岩手県水沢の緯度観測所の所長に抜擢された天文学者で、精密な観測データを世界に発信したことで世界を驚かせた。木村は従来の公式で予想される値と観測値とのずれを補正するために第3の項(Z項)を付け加えることを提唱。この業績により、学士院恩賜賞、文化勲章を受章した。中谷宇吉郎(1900-1962)は雪や氷の研究で知られる物理学者で、世界で初めて人工雪を作ることに成功し、帝国学士院賞を受賞した。中谷は「雪の結晶は、天から送られた手紙である」という言葉で有名な『雪』をはじめ、多くのエッセーも残している。

木村栄

木村栄(写真提供:金沢ふるさと偉人館)

中谷宇吉郎

中谷宇吉郎(写真提供:中谷宇吉郎雪の科学館)

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金沢ふるさと偉人館

中谷宇吉郎雪の科学館

河合良成と正力松太郎

実業界で活躍した卒業生には、四高で同級生だった、河合良成(かわいよしなり)と正力松太郎(しょうりきまつたろう)がいる。河合良成(1886-1970)は、小松製作所(現コマツ)の中興の祖といわれた実業家、政治家である。「三々塾(公認下宿(塾))」の中心人物として、明治30年代後半、「超然主義」という四高の校風の伝統が築かれた時代のリーダーとして活躍した。正力松太郎(1885~1969)は、読売新聞社主で日本プロ野球の父と言われた実業家である。四高当時は柔道部に属し、「南下軍」として三高(京大の前身)と対戦。相手の大将に勝利して、金沢市中のヒーローとなった。

柔道部稽古日誌「南下軍」

柔道部稽古日誌「南下軍」

谷口吉郎と土川元夫

愛知県犬山市にある博物館明治村は、谷口吉郎(たにぐちよしろう)(1904-1979)と土川元夫(つちかわもとお)(1903-1974)という2人の四高同級生によって作り出された。世界的な建築家・谷口の「明治建築の保存への強い思い」に賛同した当時名鉄社長だった土川が資金調達を行い、1965年に明治村は開館。四高の武道場「無声堂」と「物理化学教室」が移設されている。なお、四高の赤レンガの本館は、現在も石川四高記念文化交流館として現存し、常設的に四校出身者についての展示を行っている。

明治村に移設された四高物理化学教室

明治村に移設された四高物理化学教室(写真提供:博物館明治村)

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谷口吉郎・吉生記念金沢建築館

博物館明治村


金沢大学附属図書館中央図書館「思考の森」で展示しているパネルと同じ内容です。

2025年4月 金沢大学附属図書館コレクション検討ワーキンググループ作成