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1-7.金沢大学の現在

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金沢大学は現在、「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」を基本理念に掲げ、4学域20学類という特色ある教育体制を採っている。このような金沢大学独自の在り方はどのようにして生まれたのであろうか。

1991(平成3)年、戦後の大学の学部名やカリキュラム等を厳しく規制していた大学設置基準が改正され、規制が大幅に緩和された。このことは、18歳人口の急速な減少と相まって、全国の大学で改革が始まる契機となった。金沢大学では教養教育から改革が行われ、まず1994年にカリキュラムが改正された。ついで1996年には組織改革によって教養部が廃止され、全学の教員が教養教育を担い、それを教養教育機構(のちに共通教育機構)が統括する体制になった。その後も教育改革を進め、金沢大学は教育重視の大学として次第に全国に知られるようになっていった。

2000年代に入ると、行政組織のスリム化を目指す国の行政改革方針によって、全国立大学は国の直轄ではなく、財政の支援を受けつつも自立した法人に移行することとなった。こうして2004年、国立大学法人金沢大学が誕生する。この時、あらためて金沢大学とはどんな理念を持った大学なのかが問われることとなり、その歴史と現状を踏まえて検討した結果、上述の基本理念を明文化した「金沢大学憲章」が制定されたのである。

ついで、この理念に沿った大学の在り方が模索された。そして、現代社会の複雑な問題の解決には、従来の学問領域の枠組を超えた幅広い知識と能力が必要との認識のもと、学部の壁を取り払い、視点・知識・方法論等の共通性でくくられた学域と、専門教育の単位である学類を組み合わせた、学域学類制という新たな教育システムが考え出されたのである。こうして2008年4月、3学域(人文社会・理工・医薬保健)16学類という新たな金沢大学がスタートした。

その後も改革は進められている。2016年度には文部科学省のスーパーグローバル大学に選ばれ、国際基幹教育院が新設されて共通教育科目を一新するとともに、授業の英語化や留学推進など、大学の国際化が一気に進展した。また、2021(令和3)年度には文理融合をコンセプトとした融合学域が創設され、4学域体制となった。金沢大学は、伝統を踏まえつつ、今も未来に向けて新たな挑戦を続けている。

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出典:輝く金沢大学フォトコンテスト入賞作品から

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